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-蜜姫-
第6章 ー第五章ー
「もぅ……真由子
雪乃様の前で、変な事を言わないで!」
紫乃は顔を真っ赤にして、抗議する。
「あら、だってホントの事でしょ?」
真由子は意地悪な笑みを浮かべる。
そんな2人のやりとりを雪乃は楽しげに見つめる。
「仲がいいのね」
雪乃の言葉に 言い合ってた2人はハッとして雪乃の振り返る。
「あ……
雪乃様、申し訳ありませんっ」
慌てて紫乃は 頭を下げる。
「え?……
そんな 謝らなくても…」
雪乃は 戸惑う。
「……私と紫乃は 幼なじみなんですよ。雪乃様。」
真由子が 呟くように話す。
「…幼なじみ……」
「…はい。
私達、出会うまでの境遇も一緒で……
紫乃とはもう 12年…かしら?」
「…そうね……」
2人は 考え深げに頷きあう。
そんな2人に雪乃は柔らかく微笑む。
「…いいなぁ……
私、幼なじみはいなかったから、ちょっと羨ましい……」
「うーん。
幼なじみも いいような悪いような…?」
「ちょっと!
それ、どういう意味ですの?」
「だって、紫乃って色々面倒くさいんだもの。」
「…!
私の何が面倒臭いって 言いますの?」
「……だから…」
2人はまた 雪乃の前で、言い合いを始めた。
そんな2人を見て、雪乃はクスクス笑う。
「も〜〜〜〜〜!
いいですわっ!雪乃様!
お食事はお済みですわね?
今日も天気がいいですから、テラスでお茶にいたしましょう!」
口では真由子に敵わないと判断した紫乃は雪乃にそう畳み掛け 雪乃の手を掴み、ズンズンとテラスに出た。
その後でケラケラ笑う真由子がいた。