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双眸
第2章 始



「邪魔だ…」


唇を離した睦鬼はそう言って瑞乃の帯留めを外し帯を緩める


「あっ……」


緩んだ胸元を手繰り寄せた瑞乃は頼り無げに睦鬼を見つめる


「奴等に弄ばれ、暴かれたお前の身体、祝言の前に俺がみてやる」


睦鬼の言葉に瑞乃は震えた


それが歓喜なのか羞恥なのか恐怖なのか、否、その全てを感じ瑞乃は震えたのだった


「どけ、瑞乃」


睦鬼は瑞乃の耳元で短く命じると瑞乃を腕の中から解放し立ち上がる


背後にある松に鷹が描かれた襖を開け寝所へと消えていく


「入れ、瑞乃」


ほの暗い部屋から聞こえた声に導かれ瑞乃は緩む帯もそのままに、はやる気持ちを隠しもせず睦鬼の寝所へ消える


襖が閉められ、松に止まる鷹が主を守るよう、暗闇に目を光らせるばかりであった


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