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双眸
第2章 始
もちろん、瑞乃の父は睦鬼の父、前頭領を影に日向に良く支えたと言う功績を持ち、その子供2人の関係を喜ばしく思う者も少なからずいる
「頭領」
好奇の眼差し、嫉妬の嫌がらせ、暗殺の危機、誘拐、監禁
襖の向こうに居る睦鬼と廊下に居る瑞乃が何度と無く受けてきた仕打ち
「瑞乃か、入れ」
2人の関係を浅からぬものにするのに充分だった
「失礼致します」
静かに襖を開け、音も無く室内に滑り込む瑞乃
その姿を頬杖をつきながら眺めているのが頭領と呼ばれる睦鬼
頭領である睦鬼にとって里の者は全て睦鬼に従う僕であり、里の者にとって睦鬼は絶対的支配者なのだ
それは幼馴染みの瑞乃とて例外ではない