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双眸
第2章 始



「なぁ、瑞乃」


脇息に頬杖をついたまま睦鬼は瑞乃に声をかける


その様はもはや里の頭領と言うより一国の主であるかのようである


瑞乃は何も言わず睦鬼から三歩ほど離れた場所に正座した


里の男衆はもちろん女衆ですら瞳を奪わせる程の美しさを持つ瑞乃


その美しさは行灯の仄かな明かりに照され妖しさを匂わせる


「祝言が決まった」


そんな瑞乃を眺めながら睦鬼はどこか嬉しそうに言葉を紡ぐ


瑞乃の返答が無いことなど微塵も気にせず言葉を続ける睦鬼

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