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双眸
第2章 始

「睦鬼、それは真実(マコト)ですか…?」
ようやく発された鈴を転がしたような瑞乃の声と共にその美しい顔が怪訝そうに歪む
その様子さえ美しいのだから瑞乃の美しさは最たるものである
「俺が嘘をつくと思うか?」
睦鬼が心外だ。とでも言いた気な声をだす
だがその表情はどこか愉快そうで睦鬼は瑞乃をからかっているのだと見てとれる
睦鬼はこうして瑞乃をからかうのが楽しみの一つであった
自分の言葉一つで1人の女を自由に弄べる、瑞乃は都合の良い玩具
睦鬼の認識はその程度、しかも後腐れない相手としてはもっとも適した幼馴染みだ

