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真夏の花びら
第1章 小さなひまわり
花瓶に水を入れ職員室に戻ると、校長は何かしらの書類を整理しながら話しを続けた。
「海外が長いからネイティブ英語なんだね。それで英語の教師に?」
「花も好きですけど子供も好きなんです。それで教師になろうと思って」
「佐々木先生は生徒達に人気だから羨ましいよ」
史織は若くて少し可愛い事と、ハキハキとしてフレンドリーな性格なので生徒達からは苗字の佐々木ではなく、史織先生やシオリーヌと呼ばれたりとても慕われていた。
史織は、ひまわりを花瓶に入れながら校長と話しを続けた。
「今日の三時限目に、水泳の授業に参加したいんですけど......」
「水泳の授業?三時限目に授業が入っていないなら別にかまわないよ」
「クラスの生徒達に誘われたので一緒に泳ぎたいなと思って」
「佐々木先生は人気者だから、夏だしプールを楽しんで来てください」
ひまわりを二つの花瓶に入れ終えると、史織はキョロキョロと室内を見渡して花を飾る場所を探し、職員室の前後の窓際に花を飾った。
「ここに飾っても良いですかね」
「あぁ、そこなら邪魔にならないし陽も当たるから良いんじゃないかな」
「それじゃあ、ひまわりさん達はここで決まりっ!」
しばらくすると朝練の生徒達や教師達も登校し、学校も賑やかになりだした。