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真夏の花びら
第2章 三時限目


女性教職員用の更衣室は校舎一階の端、プールを出てすぐの生徒達用更衣室の隣にあった。

校長は机の中から更衣室のスペアキーを出すとポケットにしまった。


「それじゃあ、計画通りに」


史織はプールサイドで体を拭くと、タオルを肩に掛けて生徒達と談笑しながら更衣室へと向かう。

体育の授業は本来、男性と女性の二人の教師がいる。しかし今日は女性の体育教師は休みだった。

皆が更衣室に入った頃合いをみて校長と田中は女性教員用の更衣室の前に行き、静かにスペアキーを差し込むと少しだけドアを開け、校長が中の様子をうかがった。

史織は水着姿でドアに背を向けながら髪の毛を拭いていた。

校長は田中に目で合図をすると、静かにドアを開けて一気に史織へと走った。

髪を拭いていた史織は、人の気配と人が走り寄る音を感じて振り返る。


「えっ!?」


ガツッ!


校長の右フックが史織の左あごにヒットした。

史織はロッカーに寄りかかるように膝から崩れた。頭がクラクラする。口元を抑えながら見上げると無言で立つ校長と田中の姿。

校長は史織の腹をめがけて蹴りを入れる。


ドスッ!


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