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催眠玩具
第10章 リプレイ ― 反撃 ―
「確かに……亜理紗さんに呼ばれて、会議室に入って……名刺交換のあたりから何をしていたのかよく憶えていないな。気がついたらインタビューが終っていて、握手をして……そしたら床に転がっていた」
二人に話したのは少年に催眠をかけられて性的な悪戯をされたことと、昨夜、高城さんも私の家で暗示を与えられてしまったということだけだった。
「私も、今日出社するまで昨日の事をすっかり忘れさせられていたの」
「人の心をそんな風に好き勝手にするなんて……赦せないわね」
由美が怒りの表情を見せる。
高城さんは逆に同情の顔で私を優しく見つめ、
「亜理紗さん……怖ろしかったでしょう。可哀そうに」
その慰めの言葉に、私は思わず涙ぐんでしまいそうになった。
「亜理紗にも同じような催眠がかかっている状態なの?」
由美が尋ねる。
「ええ……その、あの……恥ずかしいんだけど……高城さんのように、誰かに触られると、というのじゃないのだけれど……」
口ごもる私を見て、二人とも察してくれた。
「わかった。言わなくていいわよ、亜理紗」
由美の言葉に高城さんも頷く。