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催眠玩具
第10章 リプレイ ― 反撃 ―

「それじゃあ、そうしましょう。催眠療法に詳しい先生だからきっと力になってくれるわ。残る問題はその少年ね……あなたたちの為にも、他に犠牲者を出さない為にも……放っておくわけにはいかない。探し出さないと」

「でも、どこの誰だか全くわからないのでは……」

 高城さんが口を挟む。
 その通りだ。あの不思議な少年はどこから来て、どこへ行ったのか。

「亜理紗、その子の顔は憶えている?」

 それは鮮明に思い浮かべることができた。
 本性を知らなければ爽やかにも見えるあの笑顔。

 しかし、頭に浮かんだ彼の顔を説明しようとして言葉につまってしまった。

 ハンサムな……と形容することはできるけれど、特徴をと言われると何と伝えてよいかわからない整いすぎた顔立ち。

 実年齢より年下に見える……というのも、具体的に個人を特定できそうな情報ではない。

「憶えているけれど……美男子……美少年としか言いようがない……気がする」

「名前は?」

「名前……」

 記憶を探る。

 目の前で名乗られたような気もするけれど、そうではないような気もする。
 少年との間に起こった出来事は、細かくまで思い出せなかった。おそらく、恐怖と混乱のせいだろう。

「憶えていないわ……」

「そう……じゃあ服装はどうかしら? 着ているものに特徴はなかった?」
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