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催眠玩具
第10章 リプレイ ― 反撃 ―
着ているものといえば……そうだ。
私はハッとして顔を上げた。
頭の中に描いた彼の姿。
「そうだわ! あれは学校の制服……」
「どんな風な?」
「詰襟のじゃなくて……ブレザーを着ていたわ、彼」
服ならば特徴を伝えやすい。
私はすぐに制服の色と形を由美に聞かせた。
「上着とズボンが同じ色で……なるほど、うんうん」
由美はスマートフォンを取り出すと何やら検索を始めた。
「……出逢ったのは通勤電車の中だったわね?」
「えっ?」
「違ったかしら?」
私が少年に電車の中で悪戯したことは話していなかったので一瞬ドキリとする。
「最初に出会ったのは終電で……じゃなかったかしら? 気がついたら隣にいたのよね?」
「ああ……ええ、そうよ」
少しドキマギしつつ私は頷いた。