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催眠玩具
第2章 生け捕られた天使
ふたつの愛の場所。ふたつの接吻。
潤滑はやがて零れ、滴り、ときに飛び散って。
愛の食み合いは自然とクライマックスへと導かれてゆく。
私は体を起こすと、戦利品を眺めるように彼の顔を見下ろした。
戦利品……?
心に浮かんだそのたとえが意外で、ふと笑みがこぼれる。
一体どんな戦利品だというのだろう?
生け捕った天使……。
キラキラと光る汗に飾られた少年は、儚げでそんな風に見えた。
それなら、私はさしずめ悪魔だろうか。
天使を堕落させる淫らなインキュバス。
そうね。
間違ってはいない。
私は何よりも好きなのだから。
堕落するこの瞬間が。