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催眠玩具
第11章 真実の愛
「やれやれ……大変な役目を仰せつかってしまったな」
私を安心させるように、リラックスした口調を作って高城さんが言った。
振り返って隣の座席の彼を見ると、目が合った瞬間に笑顔で肩をすくめてみせ、その大仰に開かれた丸い目玉に私も思わず笑い声をこぼしそうになる。
……そんな気分になったのは今日初めてかもしれない。
「お姫様に触れることすらできない、頼りない騎士だからな」
「そんなことないわ……」
傍にこうして一緒にいてくれるだけで、どれほど勇気づけられるか。
と、言いそうになって慌てて口をつぐむ。
そんな事……それって。
そんな事を口にしたら、そのまま別の事まで口走ってしまいそう。
高城さんが、傍にこうして一緒に……。
ああ、駄目。
催眠暗示が私の体を疼かせ始める。
高城さんの事を考えると、どんどんいやらしい妄想が湧いてきて自分が自分でなくなってしまう。
他に誰が訪れる気配もない駐車場。
授業中であろう学校の敷地内の外れに位置して、生徒も教師も通りかからない。
そんな所に……今、私たちは二人きりでいる。