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催眠玩具
第11章 真実の愛
ああ、そうよ。
由美だって知っている。もう何年も募らせて来た想い。
これは私の気持ち。誰かに操られた心じゃない。
いいえ、それもあるかもしれない。体はどうしようもないくらい切なく彼を求めて淫らに高ぶっている。
でも、そんなの……元から私は……私の心は、求めていたことだ。
私は私。
催眠をかけられていても、この私の想いは、私のもの。
この感情は誰かの言いなりになって生まれたものなんかじゃない。
だったら……
それを口にするのに、なにを躊躇うことがあるだろう。
誇りにも似た気持ちが私の背を押した。
「高城さん……手を……手を握ってくれますか?」
「えっ……?」
高城さんがギクリと顔を強張らせる。
「そんなことをしたら、僕はまた……」
発動してしまう。
触れた相手に襲い掛かってしまうあの催眠暗示が。
でも、私にはわかったのだ。
そんなことは問題じゃないと。
答えて欲しい、高城さんに。
教えて欲しい、本当の気持ちを。