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催眠玩具
第12章 二律背反

 イけと言われた瞬間に、再び眼前がホワイトアウトして、私の下腹が爆ぜた。甘い痺れの気泡が一斉に弾けたかのような感覚!

「あ、あ、あ……」

 生まれて初めて味わう快感だった。
 人並みに、セックスはしたことはある。

 けれど、こんな……こんな快感は……今まで一度だってなかった。

 ぴちゃりと音がして足もとを見ると、股間から一筋の液が垂れ落ちていた。失禁したのではない。それは自分でわかった。これは……あのときの液だ。愛されて、愛したときに分泌される粘りけのある肉汁。

 それが、ゆっくりと、しかし途切れることなく……床と私を繋いでいた。

「こんな……に……嘘……濡れすぎ……」

「まだまだこれからだよ、そら、もう一度イッて!」

「っ……ひぃぃぐうっ!」

 再び感電。
 下腹から、こんどは両の乳房にまで連なるV字の絶頂だった。

「アアアアアッ!」

 びしゃあっ……一瞬だけ、愛の液が量を増して床を打つ。

 あまりの恍惚にくらくらする。
 そして私はよろめいて二、三歩あとずさると、ついに腰砕けに座り込んでしまった。

 そこへ高城が歩み寄る。

 に……逃げないと……。
 何をされるか……。
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