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催眠玩具
第4章 堕落の遊戯

 お昼過ぎのこの時間まで、ホテルの中で私はたっぷりと犯された。

 犯されたというより――私を作り変えるという狂気に翻弄された……そう言ったほうが正しいのかもしれない。

 何食わぬ顔で私の後ろを歩く、この少年の目的は、私を犯すことではない。
 私を変えてしまうことなのだ。別の、何かに。
 それが怖ろしかった。

 本当に怖ろしいのは、私自身にそれが実感できることだ。

 恥ずかしい姿を見られれば見られるほど、淫らに。
 絶頂の快感と共に、何度も何度も繰り返された暗示の言葉。

 今、こうしてホテルから出て、すれ違う男たちに遠慮のない視線を向けられる度に、体の中で熱い疼きが育つのを感じる。

 それどころか……。

 ありったけの意志の力を振り絞ってこらえなければ、私は今にも着ている物を脱ぎ捨ててしまいそうなほどだった。

 見られたい。もっと。
 白昼のオフィス街で、全部。

 全部見せてしまうの。
 全部の、それ以上を見せてしまってもいい。
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