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催眠玩具
第4章 堕落の遊戯
連結部のドアについた窓ガラスの向こうにはまだまだ果てしなく蛇行する車両が続いていた。
どこに続いているの……。
この列車はどこへ向かうの?
わかっている。
破滅だ。
その甘美さを想像しただけで、私は溢れた。
ツ……とひと雫、太腿を伝い落ちる生温かい淫液。
「あ……凄い……」
呟いた私の声にもう怯えの色はなかった。
「イッちゃいそう……ああ……」
夢遊病者のようにフラフラと、五両目に足を踏み入れる。
「あれ……?」
その車両は、ここまで通り過ぎて来た車両と比べて極端に乗客が少なかった。
長い横掛けの座席の真ん中にポツンとひとりサラリーマン風の男。
一番向こうの優先席にお婆さん。
男はどうやら徹夜仕事をなんとか仕上げて帰宅する途中のような雰囲気で、無精髭が伸び、くたびれきった背広の中に体を埋めるようにして居眠りをしていた。
お婆さんは腰の曲がった小柄な体でちょこんと腰掛け、床を見つめるような姿勢。離れていることもあって私が入ってきたことにも気づいていない。