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催眠玩具
第5章 玩具同士で
「どうしてそれを……」
「どうしてだと思います?」
問い返す。
考えればわかること。亜理紗は賢い女だ。
「聞き出したのね……催眠術で。私から……」
「フフッ……フフフ」
亜理紗は今、必死で思いを巡らせているに違いない。
聞き出されたのはそれだけだろうか。
他にも喋らされてしまったのではないか。
誰にも言えないような事を、知られてしまっているのではないかと。
僕は答えず、朱に染まり出す彼女の顔を鑑賞した。
羞恥、屈辱……怒り。
混じり合った感情が彼女の唇をわなわなと震わせる。
「あなた……私をどうしようというの?」
「もう言ったでしょう?」
僕は手にしたディルドを彼女の前でひらつかせてみせた。
「私を……玩具に……」
「そう」
ご名答。
シリコンでできたディルドの亀頭を指先で弾いてやる。
「どうしてそんな酷いことを……」
「酷い? 何が? 亜理紗の玩具はそんな事を言うの?」
「私は人間よ!」
「人間の大人の女性……まさに大人の玩具だね」
「玩具なんかじゃないっていうことよ! 私は心を持っているのよ!」
「心? 心を持っているだって? アッハ……」
亜理紗の主張に僕は思わず大きな笑い声を立ててしまった。
少しの暗示でいいように操られる心。
その所有者が自分だとは……的外れもいい所だ。