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催眠玩具
第5章 玩具同士で
「お気に入りなんて……そんな……そんなのないわ……そ、そのときの気分よ。……玩具だって、ほとんど使ったことなんかないの。ただ置いてあるだけ……」
ああ!
そんな事を言うのかい、嬉しいな。
「嘘は駄目だよ……亜理紗」
僕は何もしない。
する必要がない。
亜理紗の手が勝手に動き始め、玩具箱の中から一本のディルドを手に取る。
それはさっき僕が手にしたものとはまた違う、やや小さめの……根元に吸着盤がついた、固定して使えるタイプのものだった。
「え……?」
「嘘をつくと、本当の事を実演するように条件暗示をかけておいたのさ……やっぱりお気に入りのがあるんじゃないか」
「そ……そんなっ……!」
亜理紗の腕がディルドをベッドサイドの壁……ちょうど腰の高さのあたりに、慣れた手つきでとりつける。
よく見れば確かにそのあたりにだけ、微かに壁紙の変色があった。
なるほど、お気に入りか。
壁から突き出した模造ペニスは、取り付けただけで簡素で清潔な部屋の雰囲気を卑猥に一変させる。