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催眠玩具
第6章 夢の叶う時


「……う」

 それが自分の呻き声だと、そして目を覚ましたのだと……気づくのに少し時間がかかり、私は夢と現実の境目でしばらくの間呆然としていた。

 ……暗い。
 でも真っ暗闇ではない。

 カーテンの引かれていない窓から薄青い透明な光が入り、部屋の中を照らしている。

 夜だ。
 寝室のベッドの上。

 眠っていたのか。
 なんだか頭が働かない。

 ……今、何時だろう?

 そう思ってから、自分が真っ裸なのに気づいた。

「あっ……」

 乱れた敷布、手に握り締めているディルド……床には収納ケースが転がり落ち、中に隠してあった色とりどりの玩具が散らばって……。

 そこで一気に思い出した。

「あの子……!」

 あの少年。
 天使のような顔で、悪魔のような言葉を口にする、あの……。

 あたりを見回す。
 でも、部屋の中には私以外に誰もいなかった。

 自動車がマンションの前の道路を走り過ぎていく音。

 ……深夜というわけではないらしい。
 でも深夜でも車ぐらい走るのか――と、とりとめのない考えが頭をよぎる。

 それからようやく、ひとつの結論に辿り着いた。
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