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催眠玩具
第7章 新しい人生

「僕は勿論、夢じゃないさ……あんなにしたのにもう忘れただなんて、亜理紗は冷たいね」

 あんなにしたのに……。

 その言葉に体がカッと熱くなる。

 夢じゃなかった……あの出来事……あの凌辱は……今日、本当にあったこと? 私が……あんな……。

 全身の血が逆流する。
 屈辱と、そして怒り。

「高城さんに何をしたの!?」

「待って、亜理紗」

 その言葉で私の体が金縛りとなる。

「う、動けない……」

 催眠術の暗示。
 彼の言葉に逆らえない。

「順番が違うよ。僕はまだ何もしていない。何かするのはこれからさ」

「嘘よ……だって、どうして……高城さんがこんな……」

 ソファにもたれかかって、高城さんは放心したような状態になっていた。
 さっきまで優しく機知に輝いていた瞳は、私に向けられたまま、どこか遠くの景色でも眺めているようだ。

「ああ、催眠導入剤のことかい? それは僕じゃないよ」

「あなた以外に誰が……」

「僕以外なら誰が?」
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