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陽炎 ー第二夜ー
第4章 日常ーサチと八尋のその後ー
女がぽつりと話し始める。
「ウチの人、随分歳上だから、最近元気がないみたいでね…使ってやるから自分で選んで来いなんて言うの…意地が悪いでしょう?
恥ずかしいから嫌だって言ったら、俺が選んだら一番大きいの買ってくるぞ、なんて言うのよ?
それはそれで困ってしまって…だから恥を忍んで来ているの。人には言わないでね?」
こんな店に女一人で来ていることがバレたら恥ずかしいどころの話ではないだろう。
それは店の者も心得ている。
「大丈夫ですよ。店の中での事は誰にも言わない決まりになっておりますから。」
男はにこりと笑う。
誰にも言わないが、忘れるつもりもなかった。
こんな上玉が、旦那に仕向けられたとはいえ、張型で淫らに己を慰める様を想像するだけで、充分楽しめる。
「では、これを…」
女が恥ずかしそうに指を指したのは、水牛の角でできた、程々の大きさのモノだった。
しっかりと箱の蓋を閉じ、風呂敷で包むと、女は人目を気にしながらそそくさと店を後にした。