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陽炎 ー第二夜ー
第1章 女郎蜘蛛
目を閉じ、深く白粉の香りを吸い込む。

出来るだけ無になり、肩を、胸を滑るウメの指先の感覚に集中した。

そっとウメの細い腰を抱き寄せる。

兵衛の応えに、ウメは口角を引き上げる。

兵衛の首に抱きつき、その唇に、耳元に、ねっとりと舌を這わす。

単衣の襟元を開くと、白い、豊かな乳房が溢れた。

兵衛も着物を脱ぎ捨て、下帯も解く。

中に押し込められていた男の証は、もうしっかりと天を向いている。

ウメはそれを目にすると、嬉しそうにそっと指を這わせてきた。

紅に縁取られた口がぱくりと開いて、兵衛を呑み込む。

久々の感覚に一瞬身震いがしたが、奥歯を噛み締め、眉間に皺を寄せたまま、ウメの頭を掴んで動かす。

水気を含んだ卑猥な音が響く。

あまり長く続けては果ててしまいそうだ。

髪を掴んで無理矢理引き剥がすと、
両脇を掴んで抱き上げ、屹立した証の上にウメを座らせる。

つぷ


ウメの中も潤っていて、さしたる抵抗もなく、呑み込まれていく。

舌とは違う、温かく絡みつくような刺激に、ひとつ大きな息を吐く。

ウメは兵衛の首に両腕を絡ませたまま、踊るように腰を上下に振る。

互いに荒い息を吐きながら、兵衛も片手で身体を支え、下から突き上げた。

ぼんやりとした行灯の灯りの中。

汗ばんだ身体を絡みつかせる二人。

兵衛の息が格段に荒くなる。

ウメの中で一段と膨れあがったそれが弾け、
ウメも白い喉を仰け反らせて果てた。





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