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恋花火***side story
第15章 Strawberry kiss
家に帰ったら、菜月のじいちゃんがいそいそと出かける準備をしていた。


「おじいちゃんどこか行くの?」

「ん〜ちょっとな。」


いつもの菜月のじいちゃんじゃないみたい。


おめかししてる。


「まさかデート?」


そう問いかけるとじいちゃんにギロッと睨まれた。


「おい。今日は聖なる夜だぞ。」


すげぇ気迫で話しかけられる。


まさかじいちゃんの口から聖なる夜が語られるとは。


「今日だけは許してやる。」


なにを?笑


聞く間もなく、じいちゃんはどこかへ出かけて行った。


なんやねん。笑


菜月の部屋に行くと、ここもまたクリスマス仕様。


キンキラキンのフサフサや、ボールみたいなのとか、あとはリースってやつ?色々飾られてた。


「すげぇ浮かれた部屋だな。」


素直に可愛いって言やいいのに言えない…恥ずかしい。


「ふっふっふー♪これだけじゃございません♪」


菜月は部屋の電気を消し、何かのスイッチを入れた。


すると天井には星がパアッと照らし出された。


「え!なにこれすげー!」

「ミニプラネタリウムってやつ。」


菜月の部屋はなんかとんでもないことになっている。


「ケーキどうなってるかな?開けるの怖い。笑」


二人で恐る恐るケーキの箱を開けた。


苺はあらぬ方向に落ちているし、クリームは色んな所に飛んでた。


「サンタさんとトナカイがチューしてるー!」


サンタとトナカイのマジックパンは、バランス崩してくっついちゃってる。


それを見て大喜びしている菜月。


…このケーキの完成形、見たかったな…


俺のせいでグシャグシャになっちゃって、残念。


ちょっとガッカリしてたら、菜月がちょこちょこっと隣にきて、頬にチュッてキスしてきた。


「サンタさんとトナカイの真似!」


心臓撃たれて、うわーって


俺はその場に倒れこんだ。
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