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恋花火***side story
第17章 救いの手
その日から、陸先輩に言われた通りちゃんと朝飯も食べるようにした。


母親は俺が起きるときまだ寝てる。しょうがないから自分で作ろうって思っていたら


俺が朝練してるってレンからのリークがあったらしく、菜月が作ってくれた。


朝起きて、菜月んちで朝飯食ってから登校。


それが良かったのか、長く苦しんだスランプを脱した。


陸先輩にお礼を伝えると、タケルの実力だろって一言。


ほんとかっこいい。


男の中の男!!


お好み焼きもクリームソーダも本当に美味しかった。


海も妹の華ちゃんも可愛かったし。


あの日ぶん投げたスパイクにはいっぱいごめんねをした。


そんなある日にまた俺らを取り巻く環境に変化が訪れる。


「菜月ちゃん!」


…そう、二年マネージャーの茜先輩だ。


茜先輩は二年のマネージャーの中でも一際優しい雰囲気で、菜月にも美波にも優しかった。


菜月の口からも、茜先輩の名前はよく出ていたし。


だけど俺は気付いてしまう。


菜月のことを一番近くで見ているから、気付いてしまったんだ。


茜先輩はもちろん優しいけれど、特に菜月には優しいということ。


そして優しさの中に、激しい炎が存在していることを。


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