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恋花火***side story
第21章 不機嫌なBOY
次の日も、部活前の準備には誰も来ない。


ミーティング始まる少し前にボチボチ集まるくらい。


昨日は一人で後片付けをしたため終電を逃し、郁のアパートに泊めてもらった。


今日もきっとそうなるな。


そう考えていたら、部活後ただ一人残ってくれた奴がいた。


タケルだった。


「俺昨日補習で部活来れなくて。新キャプテンの挨拶聞き逃してしまいました。」


すんませんと言いながら、タケルはグラウンドを整備し始めた。


「…タケル、いいよやんなくて。帰り遅くなるから。」


そう声をかけると、タケルはぶっきらぼうに言った。


「やるのが決まりじゃないんすか」


…そう。


俺もそうだと思ってたんだけど、それはどうやら違うらしい。


前のキャプテンにはみんな従っていたけど、俺には従いたくないみたいだから。


「…決まりじゃないみたいだよ。」

「じゃ、二人でやれば良くないですか?」

「…遅くなるよ?」

「それは陸先輩も一緒でしょ。それに一人よりかは早いはず。」


タケルはグラウンドを整備しながら、こっちも見ずに淡々と言ってきた。


…タケルがこっちを見てなくて助かった。


不覚にも今、涙が出そうだったから。


それからタケルは、毎日部活前の準備にも必ず来てくれた。


そうしているうちに一年のレンも来てくれるようになり、徐々に来てくれる人数も増えてきた。


「てめー来るのがおせぇんだよ」


タケルはそう言って、一年をシメ…いや、責めたりもして。


一年生が言うには、準備や後片付けをしなかったのには理由があって


実は二年生からの圧力があったらしい。


誰かと問い詰める気はなかったけれど、風の噂でそれは聞こえてきた。


二年生で、レギュラー落ちしたメンバーだった。


…なるほどね。


気持ちはわからなくもない。


だけどそんな嫌がらせする暇あんなら、レギュラー奪い返せよ。


怒りがこみ上げてきた。


「陸先輩。」


そんなイライラしている俺に、タケルは話しかけてきた。


「俺らはみんな陸先輩についていきますよ。」


この時俺は照れ臭くて


きちんと礼を言えなかった。


一年生がみんな来てくれたのは、タケル、おまえのおかげだろ?


知ってるよ。


一人一人に話に行ってくれたってこと、レンが教えてくれたから。
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