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恋花火***side story
第27章 CRAZY CRAZY*Takeru
あーもう。


どうすりゃいいんだよ!


イラつきながら帰っていたら、そんな俺に追い打ちをかけるように


陸先輩に家まで送ってもらった菜月に遭遇した。


知らないふりしてやろうかとも思ったけど……


癖かなんか知んないけど、声をかけた。


「陸先輩はおまえに似合わないくらいかっこいい」


あー、また。


なんで俺はこんな風にしか言えないんだよ。


菜月のこと好きだから、他の男と帰るなよ。


つーか彼氏とかマジで嫌だ


素直にそう言えたらいいのに……。


なのに思ってもないことが口からポンポン出て、また菜月を怒らせてしまう。


「タケルなんか大っ嫌い!」


いつもなら簡単に聞き流せるような言葉も


重く心にのしかかる。















「……はぁ」

「ため息うざい」


翌日教室の端っこでため息をついていたら、美波に怒られた。


「おまえなー、タケルの気持ちもわかってやれよ。」

「は?タケルの気持ちってなに?茜先輩にフラフラしてるからでしょ?当然の報いだと思いますけど。」


レンが制止するも、美波は茜先輩との事情を知らないため、俺が茜先輩に浮気したから当然だろって勢い。


まぁ、端から見りゃそうなんだけど


そうなんだけどさ


「そうやってヘコむくらいなら、菜月に言えばよかったじゃん。たった一言好きって言えなかったわけ?」


おー、きっつ〜


菜月よりキツイぜこのアマ。…いや、嘘ですごめんなさい美波さま。


「好きすぎると言えないもんじゃね?」


レンからのフォローが入るが、スイッチオンしている美波はそれにもブチ切れ。


「あっそ、じゃーあんたはあたしのことそんなに好きじゃないってことね?」

「なにそれどゆこと?」

「…いつも好き好き言ってくるじゃん。」


へぇ、そうなんだ。


レンはちゃんと美波に気持ち伝えてんのか。


微笑ましい〜


「いや、だからそれは…」

「もー知らないっ!タケルもレンも嫌い!」


…この短期間で菜月にも美波にも嫌われた俺って一体……


ふと横を見ると、今にも泣きそうになってるレン


ヘタレな俺のせいでどうもすみません…。
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