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恋花火***side story
第27章 CRAZY CRAZY*Takeru
"陸先輩見習って大人になれば!?"


あの日菜月に言われた言葉。


やっぱあいつは大人な男が好きなんだよなぁ


……大人な男ってどういうの?


「茜先輩!」

「なに?長い話ならあとにしてよ。」

「いえ、イチゴオレ飲みながらでいいんで聞いてください!」

「なにー?」

「……大人な男って、なんですか!?」


ここは茜先輩に聞くのが一番いい答えくれそう。


人生の酸いも甘いも知ってますって感じ醸し出してるし。


「んーとね」

「はい!」

「いつも一定の気分保っててー、いちいち熱くなんなくてー」

「ほう」

「好きな女の子の幸せを一番に願えるのが大人な男。」


……いつも一定の気分を保つ?はい、無理。


いちいち熱くならない。これも無理。


「好きな女の子の…幸せ…」

「そう。好きな人が笑ってたら、それで良くない?」


好きな女の子といったら、菜月一択。


菜月の幸せ…?


思い返してみる。


陸先輩といると、なんか幸せそうにしてる菜月。


これって


願うしかないのかな


冷静になって考えてみる。


陸先輩は明らかに俺よりも大人で


菜月のこと丸ごと受け止めてくれそう。


それにサッカーも上手い。


菜月の将来の夢である、サッカー選手のお嫁さんってのもやすやすと叶えてくれそう……


え、なんか泣けてくるんですけど…


「…タケル君…」

「…ありがとうございました。なんか道が開けそうな感じです…」


今の俺に出来ること


それって菜月菜月〜ってギャーギャー騒ぐことじゃなくて


菜月の幸せを願うことなんじゃねーかな


だって


菜月がニコニコしてたらやっぱ嬉しいし


泣いてたら悲しくなるし


それに俺といると、最近怒らせてばっかだし。






「いいの?それで。」

「はい。」


俺は温かく見守ることにする。


そう決めた。


「…タケル君も人がいいね。」

「人がいいなんて産まれてこのかた言われたことないです。」



俺も大人になった気がしません?


好きな女の幸せ願うなんて


これってもう、大人だよね?


だけど菜月の側にはいたいので、友達として見守る。


完璧。
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