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恋花火***side story
第28章 闘うオンナ
そこにいるって思った


悲しいときに身を隠す場所


参観日の前の日はいつもそこで泣いていたよね


私だけお母さんが来ないんだって


だから俺も一緒だよって言ったんだ


お揃いだなって


二人一緒ならよくね?って


菜月はバカがつくほど素直で


なんでもニコニコ笑って言うことを聞いてくれていた


でもそれは


世間の刃から自らを守る方法を菜月が自分自身で見つけただけのこと


両親がいなくて色々と言ってくる輩は確かに存在していた


心ない言葉をかける者も


だけど菜月はいつも笑ってた


それがその場を上手く切り抜ける方法だったから


気にしてないよと笑ってみせる


大丈夫だからと笑ってみせる


…だけど


本当は泣いてたよな


一人で膝を抱えて


泣いてたよな……










「菜月!!」


……やっぱり、ここにいた。


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