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恋花火***side story
第29章 KOAKUMA
翌朝、朝の日差しが額に当たって目が覚めたら


隣に茜先輩はいなかった。


俺らの事情なんか関係なしに大会に向けての鬼練は続く。


初めて体験するそれは、キツすぎて何もかもが頭から飛んでしまうからちょうどいい。


夢中で走った。


鬼練が終わったのは21時。


だけど終わった途端に思い出す色んな事が嫌で


レンを公園に呼び出した。


「だから言ったじゃん。」

「おまえすげーな。よくわかったな。」


リフティングしながらボーイズトーク。


や、家で話せばよくね?


とかいう声は聞こえない。


「茜先輩って女の子好きって話だったし。全然気づかなかった。」

「まぁねー。んじゃあアレじゃん?カラクリも解けたことだし、菜月のこと取り返せば?」

「…取り返す?」

「うん。」


その考えはまるでなかった。


「今がチャンスだぞ。」


レンが言ってきた。


菜月を取り戻すなら、今?


「取り戻すってどうやって?」

「菜月たちバランス崩してんだろ。そんなん簡単だよ。キスひとつだけで、完全に壊れると思うけど。」


…俺はどうしたい?


そりゃあ菜月が隣にいてくれたら、とは思う。


あの可愛い笑顔を独り占めしたい。


もう誰の目にも届かないところへ連れ去りたい。


だけど……





"敵じゃなくて、味方としてプレイしたい"


サッカーさえも辞めようと思うくらいの時に、陸先輩のその言葉にどれだけ救われたことか……


"タケルが悲しいと私も悲しい"


俺が泣いてると、いつも自分のことみたいに泣いてくれてた菜月


そんな二人を…壊す?








「…無理。そんなことできない…」


ヘタレと言われても構わない。


心底好きな女を奪ったりする勇気なんか、ひとつも持ち合わせてない。


「俺、タケルのそういうとこ好きだわ。」


そのあと俺たちは


馬鹿みたいにはしゃいでボールを追いかけた。


辛いこととか、悲しいこと


苦しいこと


その全てを忘れるように走った。


サッカーやってて、先輩に嫌がらせされたり、嫌なこともたくさんあったけど





サッカーにこんなにも救われている。


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