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恋花火***side story
第30章 RUN RUN RUN
俺はちっとも大人になっていないことに、この時気が付いた。
カッとなれば言葉よりも先に、手が出る。
喧嘩とか、ここ2年ほどしてなかった。
毎日色々あるけど、幸せに時は過ぎていたから…
「タケル!やめなさい!」
母親にそう言われるまで
俺は夢中でそいつを殴ってた。
それはほぼ無意識に。
…そんな自分にゾッとした。
男は俺の母親と同じく、口と鼻から血を垂れ流していた。
「どこ行くの!?」
「…菜月のとこ…」
俺はそれもまた無意識に
菜月のところへ行こうって思ってた。
こんな俺を止められるのは、あいつしかいないから……
「……父親の血が入ってるんだな、やっぱり。」
そんな俺に男は呟いた。
「知ってる?君の父親は……」
「やめてください!お願いタケルには……」
母親は懇願したが、それは無意味に終わる。
「女を作って逃げたんだ。君も同じだね。女に逃げるんだ。」
……あぁ、そうだよ
俺はいつも逃げていた。
だって菜月はいつも
どんな時でも俺のことを受け入れてくれた。
わかってくれた。
一緒に泣いて
一緒に怒って
一緒に笑って……。
「二川原さんにしてもらいなよ。」
だから……
菜月にそう言われた時
たったひとつの居場所さえ、俺にはもうないんだと悟った。
…つーか気付くの遅すぎだよな。
何期待しちゃってんだよ
菜月には陸先輩という恋人がいるのに
わかっているのに
……もう、どうなってもいい。
むしろめちゃくちゃになってしまえばいい。
カッとなれば言葉よりも先に、手が出る。
喧嘩とか、ここ2年ほどしてなかった。
毎日色々あるけど、幸せに時は過ぎていたから…
「タケル!やめなさい!」
母親にそう言われるまで
俺は夢中でそいつを殴ってた。
それはほぼ無意識に。
…そんな自分にゾッとした。
男は俺の母親と同じく、口と鼻から血を垂れ流していた。
「どこ行くの!?」
「…菜月のとこ…」
俺はそれもまた無意識に
菜月のところへ行こうって思ってた。
こんな俺を止められるのは、あいつしかいないから……
「……父親の血が入ってるんだな、やっぱり。」
そんな俺に男は呟いた。
「知ってる?君の父親は……」
「やめてください!お願いタケルには……」
母親は懇願したが、それは無意味に終わる。
「女を作って逃げたんだ。君も同じだね。女に逃げるんだ。」
……あぁ、そうだよ
俺はいつも逃げていた。
だって菜月はいつも
どんな時でも俺のことを受け入れてくれた。
わかってくれた。
一緒に泣いて
一緒に怒って
一緒に笑って……。
「二川原さんにしてもらいなよ。」
だから……
菜月にそう言われた時
たったひとつの居場所さえ、俺にはもうないんだと悟った。
…つーか気付くの遅すぎだよな。
何期待しちゃってんだよ
菜月には陸先輩という恋人がいるのに
わかっているのに
……もう、どうなってもいい。
むしろめちゃくちゃになってしまえばいい。