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恋花火***side story
第30章 RUN RUN RUN
翌日は開会式のため、朝5時に集合。


寝坊すんなよってレンに散々言われてたけど、寝坊どころか1時間は早く登校した。


その日はやたら寒くて


マフラー巻きたかったけど、二川原が勝手にロッカーから持って行ってしまったから、巻けなかった。


「おはようございます!」


…菜月が来た。


昨日のことなんかまるで無かったみたいにニコニコ笑っていて


その首にも、マフラーは巻かれていなかった。


開会式では、前回王者の我が校が選手宣誓をする。


強者たちが集うこの大会で


怯むことなく堂々と選手宣誓をする陸先輩は


まるで俺とは雲泥の差だと思った。


そんな神がかってる陸先輩の彼女は菜月。


あんなに近くにいた菜月は


今では一番遠くに感じる。







「大石!おまえ最高だぞ!このまま相手を削りまくれ!!」


初戦白星。


試合後には、いつも俺に怒ってばっかりの監督に初めて褒められた。


二試合、三試合も勝ち続けた。


プライベートはボロッボロだったけど


サッカーだけは裏切らない。


練習すればする分こうして結果がついてくる。


それはサッカー少年にとって


最高の幸せだと思った。

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