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恋花火***side story
第30章 RUN RUN RUN
試合が数日おきに続く中で、試合の前日は部活が休みになる。


そんな時は仕方ないけどまっすぐに帰宅して、試合に備えて身体を休める。


勉強も何もかも放り投げて


サッカーだけに身を捧げた。


枕元には菜月がくれたスパイクを置いて。


…別にこれは未練とかそんなんじゃなくて


枕元に置いてから勝利が続いてたので、ゲンを担ぐ意味でそこに置きっぱなしにしてるだけ。


今日も家にはあいつが来ている。


数日前にふとリビングに行き食器棚を開けたら


いつのまにか、俺の茶碗も箸もなくなってた。


それはあの男が捨てたと思うけど


"許してあげてね"


そう言った母親も、同じ気持ちなんだろうなと思った。


だから俺は毎日、コンビニの弁当とか、自分で白飯をラップに包んだものを食べた。


懐かしい。いつぞやの運動会ぶりのラップご飯。


味のしない白飯は食った気がしないとあの時に学んでいたから


今回はごましおをプラスした。


でもやっぱりそれだけじゃハードな試合をこなせなくて


ついに俺はSOSを出した。


「飯作って。」


初めて、二川原ちあきを呼び出した。
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