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恋花火***side story
第31章 冷たいキス

そして迎えた次戦。
相手は荒いプレイで有名な西高。
噂通り、試合開始直後からその評判通りだなと思った。
ユニホームを引っ張られるのは日常だけど、西高はそれだけじゃおさまらない。
足の甲を思い切り踏まれた。
激痛が走って、骨が折れたかと思うくらいだった。
「タケル!」
一瞬動けなくなったけど、しばらくすると脚は動いたから、骨折ではないと知り安心する。
だけど踏まれた足の甲は、じりじりと痛み
それを庇うために、きっと他の部分に負荷がかかってしまったんだと思う。
後半、接触プレイでついに俺はピッチに倒れ込み、起き上がれなくなった。
右膝に走った痛みは、さっきの足の甲とはレベルが違う痛み。
ヤバイやつだと直感で思った。
だけど今日までたくさん練習してきたし、簡単に棄権なんかしたくない。
「大石、立てるか?」
監督に言われ何とか立ち上がるも、膝からの痛みは、全身を駆け巡った。
「タケル君…大丈夫だよ!頑張れ!」
いつのまにか二川原ちあきがそばにいて、励ましてくる。
応援はありがたいけど、大丈夫という言葉が、こんなにも無責任に感じるなんて。
「…いけるか?」
監督に問われる。
不安だった。正直なところ、どこまでやれるかなんてわからない。
でもこれを勝ち抜けば決勝だ。
陸先輩のことを少しでも助けたい。
だけど……
「もう出られないよ。」
どっからか現れた菜月は、ハッキリと断言した。
俺のプレイを一番近くで見てきた菜月。
補欠の時も、退場させられた時も
どんな時も見守ってきてくれた菜月は
きっと俺よりも俺の脚のことを知っている。
そんな菜月が無理だって言うんだから
きっと無理なんだろうと思えた。
棄権を決めた途端、脚の痛みは増してきた。
病院に着く頃には、脚の太さは通常の倍。
半月板のヒビだと診察され、やっぱり菜月の判断に従って正解だと思った。
相手は荒いプレイで有名な西高。
噂通り、試合開始直後からその評判通りだなと思った。
ユニホームを引っ張られるのは日常だけど、西高はそれだけじゃおさまらない。
足の甲を思い切り踏まれた。
激痛が走って、骨が折れたかと思うくらいだった。
「タケル!」
一瞬動けなくなったけど、しばらくすると脚は動いたから、骨折ではないと知り安心する。
だけど踏まれた足の甲は、じりじりと痛み
それを庇うために、きっと他の部分に負荷がかかってしまったんだと思う。
後半、接触プレイでついに俺はピッチに倒れ込み、起き上がれなくなった。
右膝に走った痛みは、さっきの足の甲とはレベルが違う痛み。
ヤバイやつだと直感で思った。
だけど今日までたくさん練習してきたし、簡単に棄権なんかしたくない。
「大石、立てるか?」
監督に言われ何とか立ち上がるも、膝からの痛みは、全身を駆け巡った。
「タケル君…大丈夫だよ!頑張れ!」
いつのまにか二川原ちあきがそばにいて、励ましてくる。
応援はありがたいけど、大丈夫という言葉が、こんなにも無責任に感じるなんて。
「…いけるか?」
監督に問われる。
不安だった。正直なところ、どこまでやれるかなんてわからない。
でもこれを勝ち抜けば決勝だ。
陸先輩のことを少しでも助けたい。
だけど……
「もう出られないよ。」
どっからか現れた菜月は、ハッキリと断言した。
俺のプレイを一番近くで見てきた菜月。
補欠の時も、退場させられた時も
どんな時も見守ってきてくれた菜月は
きっと俺よりも俺の脚のことを知っている。
そんな菜月が無理だって言うんだから
きっと無理なんだろうと思えた。
棄権を決めた途端、脚の痛みは増してきた。
病院に着く頃には、脚の太さは通常の倍。
半月板のヒビだと診察され、やっぱり菜月の判断に従って正解だと思った。

