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恋花火***side story
第31章 冷たいキス
菜月
俺たちはどうして出会ったのかな
どうせ結ばれないのなら、いっその事
出会わなければよかった。
重なった唇は、涙の味がした。
陸先輩の隣にいると、いつも穏やかに微笑んでいる菜月。
俺といると、いつも泣かせてばかり……。
「他人だから」
そう言って菜月を突き放した。
俺は自分の気持ちを守るために、菜月を傷つけ遠ざけた。
「コンコン〜タケル君調子どう?」
数時間後、病室には二川原ちあきがやってきた。
「調子よかったら入院してねえ。」
「んもー。機嫌わるーい」
二川原ちあきは、ギシッとベッドを軋ませ、足元に腰掛けた。
「…早く治るといいね。」
そう言って、ゆっくりと顔を近づけキスをされた。
半端に開いていたであろう唇の隙間から、舌を挿れられ
口の中を弄られる。
"タケルって吸血鬼みたい!"
…幸せだった。
菜月の隣は居心地がよかった。
"タケルとするの好きだよ"
何度も重ねた身体。
それはもう二度と交わる事はない。
"夢はサッカー選手のお嫁さん!"
おまえは忘れてるだろうけど、俺はしっかり覚えてた。
だからどんなに辛いことがあっても、サッカーを続けてきた。
"もう元通りに走る事は、90%無理でしょう。"
たったひとつの夢を見失った今
俺の目にはもう
何も映らない。
俺たちはどうして出会ったのかな
どうせ結ばれないのなら、いっその事
出会わなければよかった。
重なった唇は、涙の味がした。
陸先輩の隣にいると、いつも穏やかに微笑んでいる菜月。
俺といると、いつも泣かせてばかり……。
「他人だから」
そう言って菜月を突き放した。
俺は自分の気持ちを守るために、菜月を傷つけ遠ざけた。
「コンコン〜タケル君調子どう?」
数時間後、病室には二川原ちあきがやってきた。
「調子よかったら入院してねえ。」
「んもー。機嫌わるーい」
二川原ちあきは、ギシッとベッドを軋ませ、足元に腰掛けた。
「…早く治るといいね。」
そう言って、ゆっくりと顔を近づけキスをされた。
半端に開いていたであろう唇の隙間から、舌を挿れられ
口の中を弄られる。
"タケルって吸血鬼みたい!"
…幸せだった。
菜月の隣は居心地がよかった。
"タケルとするの好きだよ"
何度も重ねた身体。
それはもう二度と交わる事はない。
"夢はサッカー選手のお嫁さん!"
おまえは忘れてるだろうけど、俺はしっかり覚えてた。
だからどんなに辛いことがあっても、サッカーを続けてきた。
"もう元通りに走る事は、90%無理でしょう。"
たったひとつの夢を見失った今
俺の目にはもう
何も映らない。