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恋花火***side story
第33章 パンドラの箱
菜月で何発か抜いて


激しい虚しさに襲われていたら、着信を知らせた携帯電話。


ないと思うけど毎度期待してしまう。


菜月からの着信を。


"090-××××-××××"


すると画面には、知らない番号が表示されていた。


ふと、過ぎったのは父親の顔。


通話ボタンを押しかけてやめた。


しばらくして着信は切れて、ホッとしていると


30分後くらいにまた鳴り出した。


それも無視していると、更にまた30分後に鳴る。


うっせーな


アラームかよ。


次に鳴ったときには、ついに通話ボタンを押した。


「タケルー!!」


受話器から聞こえてきたのは、元気な声。


「あたし!あたし!」

「詐欺電話かっつーの。」


亜美からだった。


「ねぇ電話シカトしてたの?」

「うん。」

「あたしだって知ってて?」

「いや。わかんなかった。」

「ならよし!や、よくない!あたしの番号消してたってことー!?」


不覚にも、明るい亜美からの電話でホッとした。


父親からじゃなくて良かったと、胸を撫で下ろした。
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