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恋花火***side story
第34章 GOOD GIRL
セレブじゃないティッシュで鼻をかんで、「痛い」と亜美は笑った。


「…いつ東京行くの?」

「もうすぐ全国大会あるし。それ終わってから。」

「それっていつなの?」

「来月。」

「そっかぁ。…あと、ちょっとしかないんだね。」

「うん。」


この脚で


全国大会に出れるのかわからないけど。


もしかしたらスタメンになれないかもしれない。


それでも


大好きなチームメイト達と共に、全国大会の空気を味わいたい。


「…あたしもその試合見たい。」

「会場遠いよ。」

「行きたい。…タケルのサッカーしてるとこ、久しぶりに見たい。」

「俺試合出れるかわかんねーよ。」

「…それでもいい。だって菜月も、タケルが出る出ない関係なく応援してたじゃん。」

「…まぁ、そうだな。」


そこで会話は途切れ、なんとなく沈黙が流れる。


「…なんかテレビ見たい。かけてもいい?」

「どーぞ。」


亜美がリモコンをテレビに向け、電源を押した。


その瞬間、画面には男女の性交シーンが流れ


女がアンアン喘いでた。


「ちょ!!なにこれ!?」


なぜか俺ではなく亜美が慌てて、すぐにテレビを消した。


「ななな!?」

「そんな焦る?」

「焦るわ!!」


亜美は中学の頃からませてて、俺よりもそういうの慣れてる感じだったのに。


「タケルでもこういうの見るんだ…」

「んー」


…本当は見ない。


いつも俺を奮い立たせるのは、あいつだけだから。
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