この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋花火***side story
第35章 潮騒
電車に長く揺られ
終着駅は知らない駅。
降り立つと、そこは海の匂いがしなかった。
知らない町並みを歩く。
ここには、俺を知る者も、菜月を知る者もいない。
海の匂いがしないその街は
まるで別の世界に来たみたいだ、と思った。
…そう、きっとここはさっきまで俺らがいた世界とは違う。
無意識に、菜月の手をとった。
ちっこくて、細い指。
この手に何度も救われたね。
…ありがとう。
菜月がいなかったら、俺はどうなってたかわからない。
絶望した運動会の日
それを希望に変えてくれたのは
菜月
おまえだから。
あの日から
ずっと特別だった。
ずっと大好きだった。
ずっと一緒にいたいと思った。
北を求め旅立つ白鳥
行き先も目的もはっきりとしている白鳥
…俺の行く先は?
今、俺が行こうとしているのは
菜月のいない世界。
終着駅は知らない駅。
降り立つと、そこは海の匂いがしなかった。
知らない町並みを歩く。
ここには、俺を知る者も、菜月を知る者もいない。
海の匂いがしないその街は
まるで別の世界に来たみたいだ、と思った。
…そう、きっとここはさっきまで俺らがいた世界とは違う。
無意識に、菜月の手をとった。
ちっこくて、細い指。
この手に何度も救われたね。
…ありがとう。
菜月がいなかったら、俺はどうなってたかわからない。
絶望した運動会の日
それを希望に変えてくれたのは
菜月
おまえだから。
あの日から
ずっと特別だった。
ずっと大好きだった。
ずっと一緒にいたいと思った。
北を求め旅立つ白鳥
行き先も目的もはっきりとしている白鳥
…俺の行く先は?
今、俺が行こうとしているのは
菜月のいない世界。