この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋花火***side story
第38章 真実*Riku
どれくらいボーッとしていたのかわからないけれど
ふと人の気配がして顔をあげると、郁がそこに立っていた。
「……郁」
郁はスッと俺の隣に座り、胸ぐらを力任せに掴んできた。
そしてそのまま一発、拳が左頬目掛け飛んできた。
一瞬にして、口の中に鉄の味が広がる。
なにすんだよ!
そう思ったが、頭が真っ白でなにも言えぬまま郁の顔を見た。
「……馬鹿か、おまえは」
郁は小さくそう呟き、胸ぐらを掴んでいた手を緩めた。
「そんなおまえに、菜月ちゃんが振り向く訳がねーんだよ。」
……そんな事
言われなくてもわかってる
何回言えば気が済むんだよ
「……茜の気持ちに気付いてやれよ」
一言残し
郁もまた、目の前からいなくなった。
……どういうこと
ねぇ、どういうこと?
郁と茜は喧嘩してたんじゃないの?
もしかして郁は俺の知らない茜を知っている?
俺だけが一人、何も知らない
……いや、知らないんじゃない
知ろうとしなかったんだ_____
ふと人の気配がして顔をあげると、郁がそこに立っていた。
「……郁」
郁はスッと俺の隣に座り、胸ぐらを力任せに掴んできた。
そしてそのまま一発、拳が左頬目掛け飛んできた。
一瞬にして、口の中に鉄の味が広がる。
なにすんだよ!
そう思ったが、頭が真っ白でなにも言えぬまま郁の顔を見た。
「……馬鹿か、おまえは」
郁は小さくそう呟き、胸ぐらを掴んでいた手を緩めた。
「そんなおまえに、菜月ちゃんが振り向く訳がねーんだよ。」
……そんな事
言われなくてもわかってる
何回言えば気が済むんだよ
「……茜の気持ちに気付いてやれよ」
一言残し
郁もまた、目の前からいなくなった。
……どういうこと
ねぇ、どういうこと?
郁と茜は喧嘩してたんじゃないの?
もしかして郁は俺の知らない茜を知っている?
俺だけが一人、何も知らない
……いや、知らないんじゃない
知ろうとしなかったんだ_____