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恋花火***side story
第38章 真実*Riku
気付けば、もう年が明けていた。


クリスマスも、年越しも


いつもは茜とメールを送り合うのに…、しなかった。


出来るわけがなかった。







「あけおめ〜って、暗っ!」


正月には、久しぶりにスイと遊んだ。


…ホッとする空気が流れ、俺はついつい気を緩めて、口も緩む。


ここ最近の出来事を報告すると、スイは呆れていた。


「でもまあ、真実が知れてよかったじゃん」

「よくねー」


真実はまだ、ひとつだけわからないまま。


「…茜の気持ちがわかんないんだって…」


茜からは、聞いていない。


気付いてやれよと郁に言われただけで、本人からは何も…


そんな俺に、スイは言った。


「聞けばいいじゃん」


と、一言。


「そんなん聞けねっつーの」

「なんで?」

「なんでって…」

「関係壊すのが嫌だ的な?」

「まぁそれが一番かな」

「安心しろ。もう壊れてるから」

「そっすね…」


そこからは、スイとサッカーの話や、脚の話をしたりもした。


スイは以前脚に大怪我を負ってピッチから遠ざかっていたが、来年春からはまた、サッカーが出来るまでに回復した。


「そしたらまたフットサルでもやりますか」

「おー」


そして帰り際


スイは言った。






「茜の気持ちに気付いてやれよ〜」


なんだかいつのまにか、みんな茜の味方になってた。






そして迎えた新学期。


始業式の日、学校では、とある話題で持ちきりだった。





タケルがいなくなった



そんな話題で。
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