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恋花火***side story
第39章 大都会*Takeru
セカンドオピニオンってのは


きっと誰もが、僅かな可能性と期待を込め行うものだと思う。


少なくとも、俺はそう。


けれども現実というものも、運命というものも、こっちの感情なんて御構い無しだ。


「脚が元に戻る可能性は、95%ないでしょう」


おい、マジかよ


前よりも5%多く無理だとか言ってんだけど。


しかも真顔か


「手術をしたとしても?」


そんな俺の質問に、真っ白な白衣を着た医者は、一寸の迷いもなく「そうだ」と言った。


白衣の天使どころか白衣の悪魔なんじゃねーの。


思いながらも、初対面のせんせーに罪はないから、頭を下げ、金を払い、病院をあとにした。


見上げた空は、雲ひとつなく晴れ渡っている。


空もまた、こっちの気持ちなんて御構い無しか。


清々しい色しやがって。


誰にもぶつけることの出来ないこの憤りと虚しさ。


自分でどう消化すればいいのかわからない。


今まではこんな時_____


そう、こんな時はいつも、あいつが……


やめよう。


俺はそこで思考をストップさせる。


脚の完治に向けての糸口は今日断たれた。


わざわざこんな都会まで来た意味を探す。


そうだ。意味はある。


もうあそこに俺の居場所はなかったから、新しく居場所を作るために俺は飛び出してきた。


目的なんかそれで充分だろうと自分自身に言い聞かせる。




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