この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋花火***side story
第39章 大都会*Takeru
西条に導かれるまま、歩いた。
鎖が隅々まで巡らされているような路線図を横目に、迷路のような駅の改札を抜け地下鉄へと乗り込んだ。
生まれ育った街とは何もかもが違う街。
狭くて身体が触れたとしても、誰とも目が合わない。都会の温度と距離感をまた感じて、少しだけホッとする。
「次降りるぞ」
西条に言われて、降りたのは渋谷。
「あれ見たことある!」
駅を出て、眼前に広がる光景に思わず興奮してしまう。
"ここで服買ってみたい"
"芸能人に会えるのかなぁ!"
懐かしい記憶が意図せず蘇る。
朝の情報番組で、天気予報のときに毎日テレビに映し出されていた大きな交差点を渡り歩く。
たくさんの人がいて、向かう方向はそれぞれ違うのにぶつからないで歩くってすげぇ。感動した。
交差点を渡りきって、ファッションビルの中へと入るのかと思っていたら。西条は立ち止まり、辺りをキョロキョロと見渡し始めた。
「どーしたの」
「んー、ちょい下見」
なんの?と思ったけど。その疑問はすぐに解ける。
西条につられて、同じく辺りを見渡すと、これが流行の最先端なのかーって思った。
地元には絶対いない。こんな格好してたら超目立つってくらい、原色。
「ねぇ、君たちこれから時間あいてる?」
ギョッとした。西条はいきなり、見ず知らずの女2人組に声をかけた。
先ほどから西条は、女の子の下見をしていたのだ。
「えーやだー」
とか言いつつニヤけちゃってる女。
「暇じゃないです」
冷たい女。
完全に無視を決め込む女など。
都会には、色んな女がいた。
「あーダメだー今日調子わるー」
数組に声をかけたが、全て撃沈。今日、ということは普段はどうなのかと西条に問いかけると、普段はすぐに良い子が見つかるのだという。
ナンパとか、そんなの現実にないって思ってた。
「ナンパして、それでどうすんの?」
単純な疑問を投げかける。
すると西条は、カラオケしたり、飯食ったり、と答えた。
わざわざナンパしてまで、初対面の奴と歌ったり飯食ったりって、俺には無理だと思った。
鎖が隅々まで巡らされているような路線図を横目に、迷路のような駅の改札を抜け地下鉄へと乗り込んだ。
生まれ育った街とは何もかもが違う街。
狭くて身体が触れたとしても、誰とも目が合わない。都会の温度と距離感をまた感じて、少しだけホッとする。
「次降りるぞ」
西条に言われて、降りたのは渋谷。
「あれ見たことある!」
駅を出て、眼前に広がる光景に思わず興奮してしまう。
"ここで服買ってみたい"
"芸能人に会えるのかなぁ!"
懐かしい記憶が意図せず蘇る。
朝の情報番組で、天気予報のときに毎日テレビに映し出されていた大きな交差点を渡り歩く。
たくさんの人がいて、向かう方向はそれぞれ違うのにぶつからないで歩くってすげぇ。感動した。
交差点を渡りきって、ファッションビルの中へと入るのかと思っていたら。西条は立ち止まり、辺りをキョロキョロと見渡し始めた。
「どーしたの」
「んー、ちょい下見」
なんの?と思ったけど。その疑問はすぐに解ける。
西条につられて、同じく辺りを見渡すと、これが流行の最先端なのかーって思った。
地元には絶対いない。こんな格好してたら超目立つってくらい、原色。
「ねぇ、君たちこれから時間あいてる?」
ギョッとした。西条はいきなり、見ず知らずの女2人組に声をかけた。
先ほどから西条は、女の子の下見をしていたのだ。
「えーやだー」
とか言いつつニヤけちゃってる女。
「暇じゃないです」
冷たい女。
完全に無視を決め込む女など。
都会には、色んな女がいた。
「あーダメだー今日調子わるー」
数組に声をかけたが、全て撃沈。今日、ということは普段はどうなのかと西条に問いかけると、普段はすぐに良い子が見つかるのだという。
ナンパとか、そんなの現実にないって思ってた。
「ナンパして、それでどうすんの?」
単純な疑問を投げかける。
すると西条は、カラオケしたり、飯食ったり、と答えた。
わざわざナンパしてまで、初対面の奴と歌ったり飯食ったりって、俺には無理だと思った。