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恋花火***side story
第5章 友達、サッカー、恋愛
「りくの彼女ー?」
泣き虫な茜を放っておけず、家に連れて帰った。
まるで捨て猫拾ってきました的な流れで。
すると弟と妹は喜んで、キャッキャしながら三人で遊びだした。
「陸の彼女か?」
「違う。」
茜がいるからか、父さんが居間におりてきた。
「これお口に合うかしら!?」
いつも泣いてばかりの母さんも、今日はニコニコしながら何品も料理を作った。
「うわぁ!美味しいです!」
茜はなにを食べても美味しい美味しいって騒いでいた。
父さんも母さんも、そんな茜を見て笑っていた。
…こんなに穏やかな家はいつぐらいぶりだろう。
「…り、陸?」
「こっちみんな」
おまえが言ったんだぞ
泣いてる時は知らないふりするもんだって
なのにさ
なんなんだよ
「…よしよし。」
みんなの前で泣いてしまった俺の頭を茜は撫でて
それを真似して、弟と妹も撫でてきて
また、みんなで笑った。
「…陸、ごめんな。」
その日の夜、茜が帰った後父さんが部屋に来た。
初めて向き合って話をしたのがこのとき。
父さんは自分の気持ちを、包み隠さず全て話してくれた。
父さんには、母さんに出会う前に出会った大切な女性がいたこと。
知らない間にその女性は子どもを産んでいて、その子どもを認知したいということも。
それを俺の母さんはなかなか許せずにいた。
母さんの気持ちはわかる。
だけど相手の家族だって、今までたくさん泣いたんじゃないの?
「…俺は父さんの気持ちを優先してあげたい。だってやっぱ、みんな幸せなのがいいから。」
父さんは優しいから、放っておけないんだろ?
俺にだって譲れないものはたくさんある。
サッカー、友達、恋愛
それに家族。
エリカだって大切だけど
茜だって大切だから。
「…ありがとな。」
父さんは俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
その日は久しぶりに、子どもに戻ったような
なんだかすごく懐かしい気持ちになった。
泣き虫な茜を放っておけず、家に連れて帰った。
まるで捨て猫拾ってきました的な流れで。
すると弟と妹は喜んで、キャッキャしながら三人で遊びだした。
「陸の彼女か?」
「違う。」
茜がいるからか、父さんが居間におりてきた。
「これお口に合うかしら!?」
いつも泣いてばかりの母さんも、今日はニコニコしながら何品も料理を作った。
「うわぁ!美味しいです!」
茜はなにを食べても美味しい美味しいって騒いでいた。
父さんも母さんも、そんな茜を見て笑っていた。
…こんなに穏やかな家はいつぐらいぶりだろう。
「…り、陸?」
「こっちみんな」
おまえが言ったんだぞ
泣いてる時は知らないふりするもんだって
なのにさ
なんなんだよ
「…よしよし。」
みんなの前で泣いてしまった俺の頭を茜は撫でて
それを真似して、弟と妹も撫でてきて
また、みんなで笑った。
「…陸、ごめんな。」
その日の夜、茜が帰った後父さんが部屋に来た。
初めて向き合って話をしたのがこのとき。
父さんは自分の気持ちを、包み隠さず全て話してくれた。
父さんには、母さんに出会う前に出会った大切な女性がいたこと。
知らない間にその女性は子どもを産んでいて、その子どもを認知したいということも。
それを俺の母さんはなかなか許せずにいた。
母さんの気持ちはわかる。
だけど相手の家族だって、今までたくさん泣いたんじゃないの?
「…俺は父さんの気持ちを優先してあげたい。だってやっぱ、みんな幸せなのがいいから。」
父さんは優しいから、放っておけないんだろ?
俺にだって譲れないものはたくさんある。
サッカー、友達、恋愛
それに家族。
エリカだって大切だけど
茜だって大切だから。
「…ありがとな。」
父さんは俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
その日は久しぶりに、子どもに戻ったような
なんだかすごく懐かしい気持ちになった。