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恋花火***side story
第1章 Riku*初めての×××
あれは、ほんのひと月前のこと


ほんとたまたま偶然だった。


部活が休みの日に、近所にある階段でダッシュをしていたとき。そこの高台で、休憩〜つってベンチでひと休みしていた。


……ら、見たことある奴が現れた。


女の子と、手を繋いで。


こんなところに人がいるとは思わなかったんだろうね。


俺がいるというのに


その二人は


……キス、してた。


パキッ


あ、やべ。


そーっと立ち去ろうとしたら、地面に落ちてた小枝を踏んだらしく音が出た。


ハッとして振り返ったのは


同じクラスの女の子、茜。







「……見てた?」

「バッチリ。」

「盗み見最低……」


そう言いながら、茜はボロボロと大粒の涙をこぼし始めた。


「えっ…、なんで泣くの!?」

「もう私の人生終わりだ…」


茜は、もう学校行けない。そう言いだした。


「学校行けないってどういうこと?」

「だって言いふらすでしょう?」


それを聞いて出たのは、ため息だった。


「俺、そんな口軽く見える?」

「見えない。」

「だったら…」

「わかんない。でも怖いよ。」


女の子を泣かせてしまったのは人生で初めてのことだったし、戸惑った。


でもとにかく泣き止んでほしくて、「言わないよ」何度もそう伝えた。


茜と話したのは、これが初めてだった。


これがきっかけでたまに話すようになり、案外気さくで話しやすくて、いつのまにか仲良くなっていた。


俺の苦手な女子特有の群れたがりでもなかったし


サバサバしてて、一緒にいると楽だと思った。
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