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恋花火***side story
第8章 プレゼント
それから数日後
2月最後の日。
平和な日常はいとも簡単に崩れ去った。
その年は閏年で、四年に一度しかない特別な日だった。
「相原陸っておまえ?」
学校帰り、正面玄関を出たところで男に話しかけられた。
「…誰?」
隣にいるスイに聞かれたが、俺もわからない。
「ちょっと来てくんない?」
その男はあとをついてくるよう命じてきて、俺はわけもわからずそれに従った。
もしかして郁の知り合いかな?と思った。
大体同じような歳に見えたし。
するとその男が向かったのはエリカのマンションだった。
「え…」
「いいから。」
戸惑う俺に、その男は部屋に入るよう言ってきた。
中に入ると、エリカの姿が見えない。
「エリカ…?」
辺りを見渡すと、いた。
エリカはソファがあるのに、なぜか床に座り込んでいた。
「どうしたの…?」
まるで状況がつかめない。
「…え!?」
エリカに近寄ると、座り込んだエリカの膝には、血の跡があった。
「ちょっ、え!?なんで!?」
顔を覗き込むと、唇が切れていて血が出ていた。
それに目の下には痣が出来ている。
「おまえ遊ばれてたんだよ。」
リビングの入り口に突っ立っていた男が口を開いた。
話が見えない。
わけがわからない。
「そいつ俺の女なんだけど。」
男は顎でエリカを指した。
「エリカ…嘘だよね?」
問いかけるも、エリカは何も言わない。
すると男は、体温計みたいなものを見せてきた。
中心には丸があって、その中に+マークが浮かんでいる。
なにこれ?
「エリカの腹の中に、ガキがいるんだよ。」
男はハッキリと言った。
エリカは妊娠しているのだ、と。
2月最後の日。
平和な日常はいとも簡単に崩れ去った。
その年は閏年で、四年に一度しかない特別な日だった。
「相原陸っておまえ?」
学校帰り、正面玄関を出たところで男に話しかけられた。
「…誰?」
隣にいるスイに聞かれたが、俺もわからない。
「ちょっと来てくんない?」
その男はあとをついてくるよう命じてきて、俺はわけもわからずそれに従った。
もしかして郁の知り合いかな?と思った。
大体同じような歳に見えたし。
するとその男が向かったのはエリカのマンションだった。
「え…」
「いいから。」
戸惑う俺に、その男は部屋に入るよう言ってきた。
中に入ると、エリカの姿が見えない。
「エリカ…?」
辺りを見渡すと、いた。
エリカはソファがあるのに、なぜか床に座り込んでいた。
「どうしたの…?」
まるで状況がつかめない。
「…え!?」
エリカに近寄ると、座り込んだエリカの膝には、血の跡があった。
「ちょっ、え!?なんで!?」
顔を覗き込むと、唇が切れていて血が出ていた。
それに目の下には痣が出来ている。
「おまえ遊ばれてたんだよ。」
リビングの入り口に突っ立っていた男が口を開いた。
話が見えない。
わけがわからない。
「そいつ俺の女なんだけど。」
男は顎でエリカを指した。
「エリカ…嘘だよね?」
問いかけるも、エリカは何も言わない。
すると男は、体温計みたいなものを見せてきた。
中心には丸があって、その中に+マークが浮かんでいる。
なにこれ?
「エリカの腹の中に、ガキがいるんだよ。」
男はハッキリと言った。
エリカは妊娠しているのだ、と。