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恋花火***side story
第8章 プレゼント
「そうやって守ったところで意味ねーよ。どうせ堕ろすんだからさ。」
エリカはおなかに手をやり
痛みに耐えているみたいだった。
…本当にそこに赤ちゃんがいるの?
まだお腹も全然膨らんでいないからわからない。
だけど俺は確かに
子どもが出来る行為をエリカとしていた。
避妊なんかした事がなかった。
その時エリカは
聞き逃すような小さな声で
「産みたい」
確かにそう言った。
男は笑った。
「…わざわざ病院なんか行かなくても、俺がやってやるよ。」
男は次に、エリカに向かって拳を振り上げた。
エリカを守るだなんて
そんなカッコイイもんじゃない。
ほぼ無意識に身体が動いて
エリカを抱きしめた。
「やめて!!」
エリカの声が耳に届き
それと同時に、頭にガツンと衝撃が走る。
骨と骨がぶつかる感触は、人生で初めて味わった。
喧嘩なんかした事がない。
人を殴った事も、殴られた事もない。
日々怒りや悲しみを感じる事もあったけど
こんなにも感情的な場面は経験した事がなかった。
口の中は血の味がした。
「やだぁ!陸!」
…泣かないでよ
苦しいのはエリカでしょ?
悪阻って辛いって聞いたよ
ここんとこずっと辛かったんでしょ?
あんなにも一緒にいたのに
気付いてあげられなくて本当にごめん。
…その傷も
こいつにやられたんでしょ?
…痛かったよね。
女の子なのに、顔に傷が出来ちゃってるよ…
「やめて!もう堕ろすから!やめてよぉ!」
泣き叫ぶ声が部屋に響き
ようやく男の拳は動きが止まった。
気付いたら男は俺に馬乗りになっていて、
もう顔の半分は感覚がなくなっていた。
「…最初からそう言えばいいんだよ。おまえが産みたいとかごねるから、つい殴っちゃったじゃん。」
男は俺の腕を掴み立たせた。
「じゃーな。もうエリカのことは俺に任しとけ。」
男は玄関から俺を突き出し
服とか色々放り投げてきた。
エリカの家に置いていたジャージや
初蹴りの時の写真。
それはビリビリに破かれていた。
エリカはおなかに手をやり
痛みに耐えているみたいだった。
…本当にそこに赤ちゃんがいるの?
まだお腹も全然膨らんでいないからわからない。
だけど俺は確かに
子どもが出来る行為をエリカとしていた。
避妊なんかした事がなかった。
その時エリカは
聞き逃すような小さな声で
「産みたい」
確かにそう言った。
男は笑った。
「…わざわざ病院なんか行かなくても、俺がやってやるよ。」
男は次に、エリカに向かって拳を振り上げた。
エリカを守るだなんて
そんなカッコイイもんじゃない。
ほぼ無意識に身体が動いて
エリカを抱きしめた。
「やめて!!」
エリカの声が耳に届き
それと同時に、頭にガツンと衝撃が走る。
骨と骨がぶつかる感触は、人生で初めて味わった。
喧嘩なんかした事がない。
人を殴った事も、殴られた事もない。
日々怒りや悲しみを感じる事もあったけど
こんなにも感情的な場面は経験した事がなかった。
口の中は血の味がした。
「やだぁ!陸!」
…泣かないでよ
苦しいのはエリカでしょ?
悪阻って辛いって聞いたよ
ここんとこずっと辛かったんでしょ?
あんなにも一緒にいたのに
気付いてあげられなくて本当にごめん。
…その傷も
こいつにやられたんでしょ?
…痛かったよね。
女の子なのに、顔に傷が出来ちゃってるよ…
「やめて!もう堕ろすから!やめてよぉ!」
泣き叫ぶ声が部屋に響き
ようやく男の拳は動きが止まった。
気付いたら男は俺に馬乗りになっていて、
もう顔の半分は感覚がなくなっていた。
「…最初からそう言えばいいんだよ。おまえが産みたいとかごねるから、つい殴っちゃったじゃん。」
男は俺の腕を掴み立たせた。
「じゃーな。もうエリカのことは俺に任しとけ。」
男は玄関から俺を突き出し
服とか色々放り投げてきた。
エリカの家に置いていたジャージや
初蹴りの時の写真。
それはビリビリに破かれていた。