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恋花火***side story
第8章 プレゼント
郁は俺を立たせると、「帰ろ」そう言って手を引いた。


異様な光景だと自分でも思う。


エリカのマンションから繁華街を通り抜ける間もずっと


男二人が手を繋いでるんだからさ……


「今日はここにいた方がいい。その顔じゃみんな心配する。」


郁は、自分のアパートに俺を連れて行った。


例えるならば、今の感情は"無"


なにも感じない


なにも考えたくない


郁は無言のまま、アイスノンを手渡してきた。


「…いらない」

「いいから。」


無理やり押し付けられた。


自分の顔がどうなっているのかわからないけど、痛みもなにも感じない。


その日は郁がご飯を作ってくれた。


ほとんど食べられなかったけど。


布団は一枚しかないと言い、郁は床で寝ると言ったけど、申し訳ないから俺が床で寝るよ


そう言ったけど、やたら寒い夜だったし


結局二人で寝ることにした。


これもまた、はたから見たら異様な光景だろうなと思う。


"こっち来てよー"


ふわふわの部屋着


抱きしめるとホッとする体温


なんかしんないけどいい匂いがしてくる


俺はエリカのことばかりを思い出していた。


「…郁。」

「ん?」

「エリカのおなかにいるんだ…赤ちゃん。」


郁は驚いていた。


驚くよね…俺だって、自分でそういう行為をしておきながら


妊娠してると知り驚いたくらい。


「だけどさ…」


ビックリしたけど


それでも


「…プレゼントかと思ったんだ…」


今の俺は、無責任なただの馬鹿な男


だけどそんな俺の元にやってきてくれた赤ちゃん


妹の華みたいに


きっと天使みたいに愛くるしいと思うんだ


「このままだと殺される。あいつに…」


エリカは確かに産みたいと言った


ダメなのかな


望んだら、ダメなのかな…


「…命は大切だよ。だけど、産むことだけが最善の選択だとは限らない。」


郁の言葉は


重く心に響いた。
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