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恋花火***side story
第11章 Takeru*海の声
小学校は3クラスあった。


1学年大体100人ってとこ。


菜月はその中で、レベル的に中の上って感じ。


良くもなく悪くもなく


ほんと普通の子。


たまに男子の間で、誰が可愛いとかそういう話をしてたけど、


菜月は特に名前も挙がらない。


だけど俺にとっては断トツ1位。


むしろ菜月以外みんなブス。


まぁ本人には可愛いねなんてこっぱずかしくて言えないから、とりあえずブスって言っとく。


そう言っとけば菜月は怒りだして、でもなだめる為に頭をぐしゃぐしゃってすればニコって笑う。単純。


俺はその笑顔が見たいがために、毎日せっせとブスだのバカだの言ってちょっかいを出した。







小学校の卒アルを作る時に、生徒がそれぞれ自己紹介のページを書くことになった。


その中には好きな食べ物を書く項目があって、俺は迷わず唐揚げって書いた。


みんながオムライスやハンバーグ、ナポリタンなどなど洋風なメニューを挙げる中、菜月が書いたのは"ふきの炒めもの"。


それを見たクラスメイトたちはこぞって、「菜月ちゃん渋いね」とか、「食べたことない」「年寄りくさい」そう言って笑っていた。


菜月には両親がいない。


俺たちがまだ小さな頃に事故で亡くなったと親から聞いた。


菜月は両親がいなくなってからは、じいちゃんと二人で暮らしている。


じいちゃんは今流行りのものなんて作らない。


だから菜月の好きなものは、じいちゃんといつも食べるメニューになるのは当然の流れ。


俺はたまに菜月んちで飯を一緒に食ってたから、ふきの炒めものも好きだ。


けど菜月の作った唐揚げはもっと好きだったから。


みんなに笑われて、いつもニコニコの菜月なのに、泣きそうになっていた。


それを見て俺は、急いで唐揚げという文字を消して


"身欠きニシン"


って書き直した。


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