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恋花火***side story
第13章 paradise
それから俺たちはまた、一緒に寝たり、試合前にはチュってするようになった。


初めは抵抗していた菜月も、「亜美からお許しが出たから大丈夫。」と大ボラをふいたら了解してくれた。


菜月が単純で良かった。


今度は亜美にも誰にも見つからないよう、細心の注意をはらいながらキスするようにした。


前は試合前どこでもキスしてたけど


相手側のスタンド裏にいけば、俺らのチームの奴らはいないという事に気が付いて


敵陣でちゃっかりしてもらってた。


だってそれが一番見つからない場所だから。


菜月は相変わらず、チュッて軽いやつしかしてくれない。


だけどそれで十分だと思った。


初めて菜月と距離を置いて気付いたこと


俺は菜月がそこにいてくれるだけで


それだけで幸せ。


隠れてするくらいなら亜美と別れろって話だけど


使い物にならない俺のことを一生懸命してくれる亜美に、別れようってなかなか言えなかった。




そんなある日のこと


ノーマークだったリョウっていうバスケの三年に菜月を盗られた。


…盗られるっていうか


菜月がオッケーしたからしょうがないことなんだけど


俺はいつものようにダメだって言えなかった


俺だって亜美と付き合ってるし


ダメだなんてそんな都合のいいこと言えなかった。


それに俺はちょうど停学くらってる最中で、その間に。





なんで停学くらったかというと、あのあと今度は菜月と一緒に買ったスニーカーをやられたから。


もうメソメソなんかしてられない。


三年の教室に向かった。


「かかってこいようるぁぁ」って巻き舌で挑発してくるから、試しに一発グーでパンチしたらヒットした。


脚はサッカーに使う大切な武器だから、サッカーでは使わないハンドのみで勝負。


俺のポジションは小学校の頃からサイドバック。


一瞬で色んなこと判断して、次の攻撃を予測するのは鍛えられてたんで、そこを活用してたら次々にヒット連発。


巻き舌先輩もおとなしくなってくれた。


よっしゃー勝ったー


って喜んでたら


即チクられて


即停学になった。



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