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恋花火***side story
第13章 paradise
"異常だよ"


亜美の言う通り、俺は異常なのかもしれないと薄々勘付いてはいた。







こんなに菜月を想っていても、なんか意味あんのかなって思う時もある。


……もうやめよう。


俺には亜美がいるし、菜月にだって彼氏がいる。


そう思うのに


毎朝登下校で菜月に会うたびにやっぱ好きって思った。


廊下で菜月が友達と笑い合ってる所を見ると、すげぇ可愛いって思った。


いつも菜月をオカズにしてたけど


菜月に彼氏が出来てからは、一度もしてない。


「菜月に彼氏出来たってほんと!?しかも三年のリョウ先輩!?」


ある日、亜美に聞かれた。


そうだよと答えると、亜美は喜ぶのかなぁと思っていたら


「……そうなんだ。」


って呟いた。それも元気ない感じで。


「なにその反応?」

「いや……」


亜美が言葉を濁すので、脇腹チョンチョンしまくったら暴露した。


「…菜月の相手、ヤバイよ。」


どうヤバイのか聞くと、とにかくチャラいみたいな。


俺が一番嫌いなタイプの人間らしい。


だけどそれを聞いたからって俺には何も出来ない。


なんとなくだけど、そいつと付き合ってから菜月は妙に女らしくなったし。


「…でもまぁ、菜月が選んだ人だから…」


だからしょうがないんだって


何度も自分に言い聞かせた。


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