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恋花火***side story
第13章 paradise
それからしばらくして


菜月はその男と別れた。


マジで好きだっだらしく、別れてから菜月は元気がなくて


学校も休みがちになった。


心配で訪れた約二ヶ月ぶりの菜月の部屋で、「妊娠してるかもしれない。」って言われたとき


俺のなにかが弾けた。


"大丈夫"


口をついて出た言葉。でもそれは適当じゃない。


例えもし妊娠していたとしても


あの男のDNAが半分入っていても


菜月から産まれたのなら絶対可愛いから


もしあいつが産んじゃダメっていうなら


俺が父親になる。


だから大丈夫。


本気でそんな事思っちゃう俺は本当に異常なのかも。


だけど思っちゃうんだからしょうがない。


抱きしめた菜月の身体は小さくて


柔らかくて


でもすげぇあったかくて


これから先、何があっても


この子を絶対絶対守るって決めた。







重なった唇


ルーティンじゃない初めての本気のキス


このキスにどんな意味があるのか


そんな事どうだっていいよ


舌と舌が絡まり合う


俺はずっとこれを求めていた


菜月


好きだよ


言葉に出来ないけれど


伝えられないけれど





夢中でキスしてたら


菜月が急に一言


「美味しい」


だって。


俺も今同じ事思ってた


でも恥ずかしいから、「変態」ってとりあえず言っとく。


すると菜月はヘヘッて笑う。


昔から変わらないその笑顔に


俺は亜美のことも


これからどうなるのか、とか


何もかも忘れて


目の前にいる菜月のことしか考えられなかった。





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